1980年レークプラシッドオリンピック。
ステートアマ軍団ソビエトに対してアメリカは学生主体のチーム。
当時ソビエトは世界ランク1位、アメリカは7位だったのだ。
そんな2チームが決勝ラウンドで顔を合わせたのである。
事前にニューヨークで行われた、エキシビジョンマッチでは
ソビエトの圧勝、だれしもソビエトの勝利を疑わなかった。
相手は当時のソビエトのステートアマなのだ。
赤いカーテンに隠れて、ロッキー4に出てくるボクシングサイボーグ
イワン・ドラゴの如きアイスホッケーサイボーグの集団である。
アメリカの学生が、勝てるとはだれも思わない。
しかし、だ。
そのソビエトに、アメリカが勝ったのである。
勢いに乗ったアメリカは、その後フィンランドも下し金メダルに輝いた。
氷上の奇蹟、Miracle on ICEと呼ばれたこの試合は
後に、カート・ラッセル主演で映画にもなった。

バンクーバーオリンピックの最後を飾る、冬季オリンピックの
花形競技アイスホッケー決勝戦。
決勝で雌雄を決するのは、2004年ソルトレイクオリンピックと
同じ顔合わせ、すなわちアメリカとカナダの対戦となった。
ソルトレイクに続いて、バンクーバーでも地の利と言うのか
北米決戦となった。

レークプラシッドオリンピック時代には考えられなかった事だが
98年の長野オリンピックから、アイスホッケーはプロ選手の出場が、
解禁された。出場国のほとんどにNHL選手または、経験者が
いるのである。
つまりは、出場国のほとんどが銀河系軍団なのである。
そのため、銀河系軍団を率いて敗れたロシアの監督は
敗戦の弁で「赤の広場で、私をギロチンにかけて欲しい。」
といわざるをえないのだ。

決勝の試合前Legend on ICEとボードを掲げてる人がいた。
当然、Miracle on ICEを踏まえてのこと。
この人が今日の試合を予知したとは思えない。
でも、今日の決勝戦はまぎれもなくLegend on ICEと呼べるゲーム。
1Pにはテーヴスが2Pにはペリーがシュートを決めてカナダリード、
しかし、同じ2Pにはケスラーの一発ですがるアメリカ、3Pに入り
パックの支配率が落ちプレイの精度が落ちてるけれどでも、
残り時間はあと僅か。
そんなカナダに24.4秒からアメリカがパリジーのシュートで同点に追いつく。
この瞬間が、MiracleとLegendの分水嶺...........。

15分のインターミッション後、延長に入る。
延長戦はプレイヤーが1人少ない4on4。
しかも、延長はどちらかがゴールを決めれば、その時点でゲーム終了。
お互いが、必死の攻防を繰り広げる中、7分40秒、ゴールネットを
揺らしたのはカナダのそれも、このオリンンピック中絶不調に喘いでいた、クロスビーの一発だった。
もっと言えば、カナダ国民の期待を浴びながら不振だった
イギンラ-クロスビーのスーパースターラインが、本当に土壇場で、
機能したのだ。
正直、アメリカが勝ってもおかしくない流れの中で、自国開催の
オリンピック、そしてソルトレイクに続く北米決戦2連勝、そして
なによりも、カナダに2大会振りのメダルをもたらしたのである。
スターは何かを持ちえる存在なのか。

3P残り時間24.4秒から気まぐれにゲームを支配した、
ホッケーの女神は、MiracleではなくLegendにほほ笑んだのである。
このゲームはホッケーが分からない人にも、とにかく凄いゲームだ
とは思ってもらえるゲーム。

まだなんか、興奮してるわ、俺。